2012年03月25日 (日) | 編集 |
今村彩子さん 聴覚障害者を撮り続ける映像作家
客を笑顔で迎えるアロハシャツ姿の男性店主。手話や身ぶり、筆談で「会話」を交わし、コーヒーでもてなす--。静岡県のサーフショップを舞台に、ろう者の店主と客の交流を09年から1年半撮影した最新ドキュメンタリー「珈琲(コーヒー)とエンピツ」の一場面だ。
自身もろう者。小学生の時に見た字幕付き洋画「E.T.」のビデオがきっかけで映画に関心を持ち、大学在学中に米カリフォルニア州立大ノースリッジ校へ1年留学して映画製作を学んだ。
大学で手話の非常勤講師として働くかたわら、「ろう者のことを多くの人に知ってほしい」と、身長152センチの小柄な体でカメラを担ぎ、国内外を飛び回る。これまでに約30作品を撮影し、全国で上映会を開いている。
レンズ越しに知り合ったろう・難聴者は延べ約150人。中でもサーフショップ店主は際立って魅力的だった。手話が通じない客にも気後れせず、豊かな表情と身ぶりを駆使して相手の懐に飛び込む。その姿に、引き込まれるようにカメラを回した。
「撮影していて、手話を知らない人と距離をとりがちな自分に気付いた。でも店主を見ているうち、壁を作らず、誰とでも出会って積極的に交流を楽しみたくなった」
今後はアジア諸国から留学に来たり、社会人になったばかりのろう・難聴者を追いかける予定だ。「聞こえる人と聞こえない人が共に生きる社会を作りたい」。力の根源は強い信念にある。
(2012.3.24 毎日新聞)
客を笑顔で迎えるアロハシャツ姿の男性店主。手話や身ぶり、筆談で「会話」を交わし、コーヒーでもてなす--。静岡県のサーフショップを舞台に、ろう者の店主と客の交流を09年から1年半撮影した最新ドキュメンタリー「珈琲(コーヒー)とエンピツ」の一場面だ。
自身もろう者。小学生の時に見た字幕付き洋画「E.T.」のビデオがきっかけで映画に関心を持ち、大学在学中に米カリフォルニア州立大ノースリッジ校へ1年留学して映画製作を学んだ。
大学で手話の非常勤講師として働くかたわら、「ろう者のことを多くの人に知ってほしい」と、身長152センチの小柄な体でカメラを担ぎ、国内外を飛び回る。これまでに約30作品を撮影し、全国で上映会を開いている。
レンズ越しに知り合ったろう・難聴者は延べ約150人。中でもサーフショップ店主は際立って魅力的だった。手話が通じない客にも気後れせず、豊かな表情と身ぶりを駆使して相手の懐に飛び込む。その姿に、引き込まれるようにカメラを回した。
「撮影していて、手話を知らない人と距離をとりがちな自分に気付いた。でも店主を見ているうち、壁を作らず、誰とでも出会って積極的に交流を楽しみたくなった」
今後はアジア諸国から留学に来たり、社会人になったばかりのろう・難聴者を追いかける予定だ。「聞こえる人と聞こえない人が共に生きる社会を作りたい」。力の根源は強い信念にある。
(2012.3.24 毎日新聞)
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