2009年11月01日 (日) | 編集 |
筑波技術大:障害者の大学院新設 全国初の視聴覚専門−−来年度 /茨城
筑波技術大(つくば市)は30日、来年度から大学院(入学定員7人)を新設し、全国で初めて視覚・聴覚障害者を専門に受け入れると発表した。
同大はもともと、視覚・聴覚障害の学生専門の国立大。今回は「技術科学研究科」単科の大学院を設け、来年2月に入試を行う。
同科の中で聴覚障害者向けの「産業技術学専攻」(定員4人)では電子工学や建築、デザインなどを、視覚障害者向けの「保健科学専攻」(同3人)では、はり・きゅうや理学療法、コンピュータープログラムなどを学べる。いずれも修士課程で修業年限は2年。
通常の大学や大学院と比べ、障害者に適した方法で授業を行うのが特長。例えば聴覚障害者向けには、学生に口の動きが見えるよう、黒板に字を書く際は話さず、話す際は手話を交えるなどの工夫を加えるという。
(2009.10.30 毎日新聞)
筑波技術大(つくば市)は30日、来年度から大学院(入学定員7人)を新設し、全国で初めて視覚・聴覚障害者を専門に受け入れると発表した。
同大はもともと、視覚・聴覚障害の学生専門の国立大。今回は「技術科学研究科」単科の大学院を設け、来年2月に入試を行う。
同科の中で聴覚障害者向けの「産業技術学専攻」(定員4人)では電子工学や建築、デザインなどを、視覚障害者向けの「保健科学専攻」(同3人)では、はり・きゅうや理学療法、コンピュータープログラムなどを学べる。いずれも修士課程で修業年限は2年。
通常の大学や大学院と比べ、障害者に適した方法で授業を行うのが特長。例えば聴覚障害者向けには、学生に口の動きが見えるよう、黒板に字を書く際は話さず、話す際は手話を交えるなどの工夫を加えるという。
(2009.10.30 毎日新聞)
2009年10月28日 (水) | 編集 |
視聴覚障害者 体感ライブ
目や耳の不自由な人たちにも音楽を楽しんでもらえるライブイベント「エンターテイメントサーカス」が、今年は11月1日、名古屋市千種区今池4丁目のライブハウス「ボトムライン」で開かれる。
名古屋で活動するミュージシャンの有志らの手で06年から昨年まで、同市中区新栄のクラブダイヤモンドホールで開かれてきた。今回が4回目になる。視聴覚障害者が一緒に音楽を楽しめるように、会場に大型スクリーンとプロジェクターを設置して、全曲の歌詞を映し出し、ボランティアの手話通訳もステージに立つ。
今年で結成20周年を迎えた聴覚障害者らでつくるロックバンド「BRIGHT EYES(ブライト・アイズ)」のほか、和太鼓グループ「和太鼓塵輝(じん・き)」、ロックバンド「B.S.R.」など計8組が出演する。「B.S.R.」のリーダーで、イベントの実行委員長石川徹さん(42)は「障害という壁を越えて一緒にリズムを刻み、響き合い、熱く演奏する姿を名古屋から発信したい」と意気込んでいる。
午後3時開演、午後9時終演の予定。入場料2千円(別に飲み物代500円)。売り上げの一部は県聴覚障害者協会などに寄付する。問い合わせは、石川さん(090・3484・4581)へ。
(2009.10.27 朝日新聞)
目や耳の不自由な人たちにも音楽を楽しんでもらえるライブイベント「エンターテイメントサーカス」が、今年は11月1日、名古屋市千種区今池4丁目のライブハウス「ボトムライン」で開かれる。
名古屋で活動するミュージシャンの有志らの手で06年から昨年まで、同市中区新栄のクラブダイヤモンドホールで開かれてきた。今回が4回目になる。視聴覚障害者が一緒に音楽を楽しめるように、会場に大型スクリーンとプロジェクターを設置して、全曲の歌詞を映し出し、ボランティアの手話通訳もステージに立つ。
今年で結成20周年を迎えた聴覚障害者らでつくるロックバンド「BRIGHT EYES(ブライト・アイズ)」のほか、和太鼓グループ「和太鼓塵輝(じん・き)」、ロックバンド「B.S.R.」など計8組が出演する。「B.S.R.」のリーダーで、イベントの実行委員長石川徹さん(42)は「障害という壁を越えて一緒にリズムを刻み、響き合い、熱く演奏する姿を名古屋から発信したい」と意気込んでいる。
午後3時開演、午後9時終演の予定。入場料2千円(別に飲み物代500円)。売り上げの一部は県聴覚障害者協会などに寄付する。問い合わせは、石川さん(090・3484・4581)へ。
(2009.10.27 朝日新聞)
2009年10月26日 (月) | 編集 |
手話で演出 演劇体験 聴覚障害者のシーレイ氏が12月に指導=埼玉
聴覚障害のあるイギリス人演出家ジェニー・シーレイ氏を講師に招いた演劇ワークショップ(体験講座)が12月、さいたま市中央区の彩の国さいたま芸術劇場で開かれる。障害者による芸術を広く紹介する「県障害者アートフェスティバル」(11〜12月)の一環。県は参加者を募集している。
シーレイ氏は、身体障害のある俳優らによる劇団「グレイアイ・シアター・カンパニー」(英国)の芸術監督で、自身も役者として活動。2007年に来日した際には、日本人の障害者らとともに公演し、演じ手と観客が障害の有無に関係なく楽しめる演出技法が、高く評価された。
講座参加者は、劇場小ホールの舞台に上がり、当日発表されるテーマに基づいて、感じたままに表現・創作する。シーレイ氏は手話を用いながら、参加者の様々な表現手法を引き出していく。
県障害者福祉推進課は「身体的な障害があっても、自分の中の新たな表現方法を発見できるはず」としている。
参加無料。募集の対象は、高校生以上で、12月5、6日(いずれも午前11時〜午後5時)の両日参加できる人。障害や演劇経験の有無は問わない。定員は16人で応募多数の場合は抽選する。
「演劇ワークショップ希望」と明記し、住所、氏名、年齢、性別、電話またはファクス番号、障害の有無と種別を記して、Eメール(a3310@pref.saitama.lg.jp)かファクス(048・830・4789)で11月13日までに申し込む。問い合わせは同課(048・830・3312)へ。
(2009年10月25日 読売新聞)
聴覚障害のあるイギリス人演出家ジェニー・シーレイ氏を講師に招いた演劇ワークショップ(体験講座)が12月、さいたま市中央区の彩の国さいたま芸術劇場で開かれる。障害者による芸術を広く紹介する「県障害者アートフェスティバル」(11〜12月)の一環。県は参加者を募集している。
シーレイ氏は、身体障害のある俳優らによる劇団「グレイアイ・シアター・カンパニー」(英国)の芸術監督で、自身も役者として活動。2007年に来日した際には、日本人の障害者らとともに公演し、演じ手と観客が障害の有無に関係なく楽しめる演出技法が、高く評価された。
講座参加者は、劇場小ホールの舞台に上がり、当日発表されるテーマに基づいて、感じたままに表現・創作する。シーレイ氏は手話を用いながら、参加者の様々な表現手法を引き出していく。
県障害者福祉推進課は「身体的な障害があっても、自分の中の新たな表現方法を発見できるはず」としている。
参加無料。募集の対象は、高校生以上で、12月5、6日(いずれも午前11時〜午後5時)の両日参加できる人。障害や演劇経験の有無は問わない。定員は16人で応募多数の場合は抽選する。
「演劇ワークショップ希望」と明記し、住所、氏名、年齢、性別、電話またはファクス番号、障害の有無と種別を記して、Eメール(a3310@pref.saitama.lg.jp)かファクス(048・830・4789)で11月13日までに申し込む。問い合わせは同課(048・830・3312)へ。
(2009年10月25日 読売新聞)
2009年10月19日 (月) | 編集 |
手話使わずに健常者と交流深める催し
耳の不自由な人と健常者が一緒に活動する人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」(神奈川県川崎市)の善岡修代表らが、手話を理解できない場合などでも相手とコミュニケーションを深める方法と、その楽しさを体験する催しを鳥栖市民活動センターで開いた。
鳥栖市中央公民館で11月に予定している公演のPRも兼ねた。みやき町の病院で手話を学んでいる看護師や職員ら約20人が参加。相手の口の動きを見て、何という動物や果物の名前を言っているのか当てたり、表情や視線、手足の動きで相手に自分が思っていることを伝えたりするゲームを体験した。
善岡さんたちが舞台で動かす人形に、色々な動作をさせることも教わった。参加した男性は「音がなくても、みんなで楽しめることはたくさんあるということを、ほかの人たちにも伝えたい」と話していた。
同劇団は1980年、財団法人「現代人形劇センター」が結成した。人形劇に体全体を使った動きを取り入れ、既成概念にとらわれない新しいタイプの芸術を創造しようと活動を続けてきた。国内だけでなく、海外でも公演。同センターの森元勝人理事長は「せりふがないので、どこででも内容が伝わるのが特長です」とアピールしている。
鳥栖での公演は11月5日午後7時に開演。家族のきずなをテーマにした「はこBOXES・じいちゃんのオルゴール」を上演する。文化庁の補助を受けているため、入場料は一般400円、中学生以下200円。問い合わせは横田研治さん(080・1777・8229)へ。
(2009年10月17日 読売新聞)
耳の不自由な人と健常者が一緒に活動する人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」(神奈川県川崎市)の善岡修代表らが、手話を理解できない場合などでも相手とコミュニケーションを深める方法と、その楽しさを体験する催しを鳥栖市民活動センターで開いた。
鳥栖市中央公民館で11月に予定している公演のPRも兼ねた。みやき町の病院で手話を学んでいる看護師や職員ら約20人が参加。相手の口の動きを見て、何という動物や果物の名前を言っているのか当てたり、表情や視線、手足の動きで相手に自分が思っていることを伝えたりするゲームを体験した。
善岡さんたちが舞台で動かす人形に、色々な動作をさせることも教わった。参加した男性は「音がなくても、みんなで楽しめることはたくさんあるということを、ほかの人たちにも伝えたい」と話していた。
同劇団は1980年、財団法人「現代人形劇センター」が結成した。人形劇に体全体を使った動きを取り入れ、既成概念にとらわれない新しいタイプの芸術を創造しようと活動を続けてきた。国内だけでなく、海外でも公演。同センターの森元勝人理事長は「せりふがないので、どこででも内容が伝わるのが特長です」とアピールしている。
鳥栖での公演は11月5日午後7時に開演。家族のきずなをテーマにした「はこBOXES・じいちゃんのオルゴール」を上演する。文化庁の補助を受けているため、入場料は一般400円、中学生以下200円。問い合わせは横田研治さん(080・1777・8229)へ。
(2009年10月17日 読売新聞)
2009年10月17日 (土) | 編集 |
文字サイズ変更小中大.この記事を印刷.エンターテイメントサーカス:音楽で障害の壁越える 千種で来月1日にライブ /愛知
視聴覚障害者と健常者が同じステージに立ち、観客と一緒に音楽を楽しむライブイベント「エンターテイメントサーカス2009」が11月1日、名古屋市千種区今池のボトムラインで開かれる。大型スクリーンに歌詞や写真を映し出し、ステージに手話通訳を置くなど、できる限り障害の壁を感じないよう工夫するのが特徴だ。
06年から毎年開催しており今年で4回目。「障害の壁を越える音楽の可能性」をテーマにした全国的にも珍しいライブで、昨年は約500人が訪れた。
企画したのは、インディーズロックバンド「B.S.R.(ビー・エス・アール)」のボーカルでリーダーの石川徹さん(42)=小牧市。05年の愛知万博で「障害者向け映画」の存在を知り「障害者が演奏するなど、障害の垣根を越えて一緒に音楽を体験できるライブを」と思ったのがきっかけだ。
今回は、メンバー5人中4人が聴覚障害を持つ名古屋市の手話ロックバンド「ブライトアイズ」やB.S.R.など8組が参加する予定。イベントの売り上げの一部は社会福祉団体や聴覚障害者団体などに寄付される。
石川さんは「今回の出演者は10代〜50代と幅広く、ロック以外の音楽もある。一緒に盛り上がりたい」と話している。
ライブは11月1日午後3時から(2時半開場)。入場料2000円。問い合わせはボトムライン(電話052・741・1620)。
(2009.10.16 毎日新聞)
視聴覚障害者と健常者が同じステージに立ち、観客と一緒に音楽を楽しむライブイベント「エンターテイメントサーカス2009」が11月1日、名古屋市千種区今池のボトムラインで開かれる。大型スクリーンに歌詞や写真を映し出し、ステージに手話通訳を置くなど、できる限り障害の壁を感じないよう工夫するのが特徴だ。
06年から毎年開催しており今年で4回目。「障害の壁を越える音楽の可能性」をテーマにした全国的にも珍しいライブで、昨年は約500人が訪れた。
企画したのは、インディーズロックバンド「B.S.R.(ビー・エス・アール)」のボーカルでリーダーの石川徹さん(42)=小牧市。05年の愛知万博で「障害者向け映画」の存在を知り「障害者が演奏するなど、障害の垣根を越えて一緒に音楽を体験できるライブを」と思ったのがきっかけだ。
今回は、メンバー5人中4人が聴覚障害を持つ名古屋市の手話ロックバンド「ブライトアイズ」やB.S.R.など8組が参加する予定。イベントの売り上げの一部は社会福祉団体や聴覚障害者団体などに寄付される。
石川さんは「今回の出演者は10代〜50代と幅広く、ロック以外の音楽もある。一緒に盛り上がりたい」と話している。
ライブは11月1日午後3時から(2時半開場)。入場料2000円。問い合わせはボトムライン(電話052・741・1620)。
(2009.10.16 毎日新聞)
2009年10月02日 (金) | 編集 |
映画「ゆずり葉」…聴覚障害者の人間ドラマ、実話ベース、手話生かす
2世代のカップルの恋と死別、葛藤(かっとう)などを軸に、聴覚障害者をめぐる人間模様を描いた映画「ゆずり葉」が公開されている。実話を基にした構成や手話表現を生かした映像に、共感の輪が広がっているという。
作品は103分(字幕付き)。舞台は「法令による障害者の資格制限などは差別だ」として制限撤廃を求める運動が盛り上がりを見せた1999年の東京。健聴者で身重の早苗の死に30年余り苦しみ、運動からも退いた、ろう者の敬一を主人公に展開する。敬一役はろう演劇のベテラン庄崎隆志さん、早苗役はSPEEDの今井絵理子さんで、大和田伸也さんや山口果林さんらも出演。
監督・脚本を務めたろう者の早瀬憲太郎さんは「まず、映画として魅力あるストーリーを追求した。人間ドラマをきちんと描くことで、ろう者を取り巻く問題を知ってもらいたかった」としている。
全日本ろうあ連盟が創立60周年を記念して製作。若葉が育って初めて古い葉が落ちるというユズリハにちなむ作品名に、若い世代へ活動を引き継いでいく意義を託した。
上映は都道府県ろう団体を中心に地域で実行委員会を発足させて6月から行っており、来春まで続く。堺市の実行委によると、9月上旬にあった上映会には763人が来場し、約7割は健聴者だった。事務局長の佐々木直子さんは「『日常では分からない、ろう者の困難に気づいた』『自分も次世代につながっていると考えさせられた』などの感想が寄せられた」と話す。
上映日程の詳細は連盟(03・3268・8847、ファクス03・3267・3445)へ。ホームページ(http://www.jfd.or.jp/)でも紹介している。今月11日までの会場は次の通り。
▽3日 広島市安芸区民文化センター▽4日 徳島市徳島ホール▽10日 徳島県吉野川市アメニティセンター▽11日 滋賀県東近江市八日市文化芸術会館、大阪府藤井寺市立市民総合会館、高松市サンポート高松
(2009年10月01日 読売新聞より)
2世代のカップルの恋と死別、葛藤(かっとう)などを軸に、聴覚障害者をめぐる人間模様を描いた映画「ゆずり葉」が公開されている。実話を基にした構成や手話表現を生かした映像に、共感の輪が広がっているという。
作品は103分(字幕付き)。舞台は「法令による障害者の資格制限などは差別だ」として制限撤廃を求める運動が盛り上がりを見せた1999年の東京。健聴者で身重の早苗の死に30年余り苦しみ、運動からも退いた、ろう者の敬一を主人公に展開する。敬一役はろう演劇のベテラン庄崎隆志さん、早苗役はSPEEDの今井絵理子さんで、大和田伸也さんや山口果林さんらも出演。
監督・脚本を務めたろう者の早瀬憲太郎さんは「まず、映画として魅力あるストーリーを追求した。人間ドラマをきちんと描くことで、ろう者を取り巻く問題を知ってもらいたかった」としている。
全日本ろうあ連盟が創立60周年を記念して製作。若葉が育って初めて古い葉が落ちるというユズリハにちなむ作品名に、若い世代へ活動を引き継いでいく意義を託した。
上映は都道府県ろう団体を中心に地域で実行委員会を発足させて6月から行っており、来春まで続く。堺市の実行委によると、9月上旬にあった上映会には763人が来場し、約7割は健聴者だった。事務局長の佐々木直子さんは「『日常では分からない、ろう者の困難に気づいた』『自分も次世代につながっていると考えさせられた』などの感想が寄せられた」と話す。
上映日程の詳細は連盟(03・3268・8847、ファクス03・3267・3445)へ。ホームページ(http://www.jfd.or.jp/)でも紹介している。今月11日までの会場は次の通り。
▽3日 広島市安芸区民文化センター▽4日 徳島市徳島ホール▽10日 徳島県吉野川市アメニティセンター▽11日 滋賀県東近江市八日市文化芸術会館、大阪府藤井寺市立市民総合会館、高松市サンポート高松
(2009年10月01日 読売新聞より)
2009年10月02日 (金) | 編集 |
診療 手話もOK -山口県周南市
◆周南市の医院、スタッフ8人もマスター
周南市大内町の「宮里クリニック」(宮里薫院長)が、聴覚障害のある人の診察に手話を採り入れている。手話しかコミュニケーション手段がない人にとって、医師らの説明を理解するには手話通訳者に頼らざるをえないが、医療者が手話を使えれば急病の時でも通訳を待たずに受診できる。クリニックは「聴覚障害者が自由に思いを伝えたり、聞いたりできる診療に取り組んでいきたい」と話している。
「ひざが痛みますか?」。クリニックの宮里肇医師(40)が聴覚障害者の患者に、手のひらを上向きにして指を軽く曲げ、左右に小さく震わせた。「痛い」を意味する手話表現だ。ほかにも「血圧が高いですよ」「薬は4週間分出しましょう」など診察内容を手話で次々と伝えていく。
聴覚障害者が医療機関を受診するときは通常、障害者自立支援法のコミュニケーション支援事業に基づいて、手話通訳者や要約筆記者などの派遣を依頼することが多い。
しかし、このクリニックでは、医師のほか看護師や受付事務員など8人の常勤スタッフも手話がある程度でき、患者とのコミュニケーションに努めている。
◆障害者「急病も安心」
「手話が通じるのがうれしい」。受診した聴覚障害者の菱川洋平さん(65)は、満足そうな笑顔でそう手話で表した。「専門的なことは難しいけど、手話通訳がいない時でも自分1人で受診できる。急に体調が悪くなっても、通訳を待たずに診てもらえるので安心です」
宮里医師は「聴覚障害者の人たちが患者で来られるようになって、スタッフも自然と手話が出来るようになった」と言う。市内の聴覚障害者生活支援センター「こすもすの家」のメンバーを招いてクリニックで手話教室を開くなど、勉強も重ねている。
宮里医師は内科とリウマチ科が専門。周南市出身で大阪の大学病院で働いていたが、5年前に帰郷し、市内の病院で働き始めた。手話を覚え始めたきっかけは、その病院に筆談が難しい聴覚障害者が入院したことだった。
幼児期より前に聴覚を失った人は音と文字とが結びつかず、健聴者と同じように読み書きすることができない人も多い。しかし入院すると、通訳がいない時でも診察や日々の体調確認など日常的に会話が必要になる。意思疎通を図ろうと身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとるうち、少しずつ手話を覚えていったという。
「手話で受診できる」という評判が広がり、今では多くの聴覚障害者が受診に訪れるようになった。
「聴覚障害者の中には(説明の意味が)理解できなかったことを医師に伝えられず、分かってもらえないから聞かなくなるという悪循環がある」と宮里医師。「手話だと相手の伝えたいことを引き出しやすい。耳が不自由なことで遮断される情報の壁をとりはらいたい」と話している。
(2009.10.1朝日新聞より)
◆周南市の医院、スタッフ8人もマスター
周南市大内町の「宮里クリニック」(宮里薫院長)が、聴覚障害のある人の診察に手話を採り入れている。手話しかコミュニケーション手段がない人にとって、医師らの説明を理解するには手話通訳者に頼らざるをえないが、医療者が手話を使えれば急病の時でも通訳を待たずに受診できる。クリニックは「聴覚障害者が自由に思いを伝えたり、聞いたりできる診療に取り組んでいきたい」と話している。
「ひざが痛みますか?」。クリニックの宮里肇医師(40)が聴覚障害者の患者に、手のひらを上向きにして指を軽く曲げ、左右に小さく震わせた。「痛い」を意味する手話表現だ。ほかにも「血圧が高いですよ」「薬は4週間分出しましょう」など診察内容を手話で次々と伝えていく。
聴覚障害者が医療機関を受診するときは通常、障害者自立支援法のコミュニケーション支援事業に基づいて、手話通訳者や要約筆記者などの派遣を依頼することが多い。
しかし、このクリニックでは、医師のほか看護師や受付事務員など8人の常勤スタッフも手話がある程度でき、患者とのコミュニケーションに努めている。
◆障害者「急病も安心」
「手話が通じるのがうれしい」。受診した聴覚障害者の菱川洋平さん(65)は、満足そうな笑顔でそう手話で表した。「専門的なことは難しいけど、手話通訳がいない時でも自分1人で受診できる。急に体調が悪くなっても、通訳を待たずに診てもらえるので安心です」
宮里医師は「聴覚障害者の人たちが患者で来られるようになって、スタッフも自然と手話が出来るようになった」と言う。市内の聴覚障害者生活支援センター「こすもすの家」のメンバーを招いてクリニックで手話教室を開くなど、勉強も重ねている。
宮里医師は内科とリウマチ科が専門。周南市出身で大阪の大学病院で働いていたが、5年前に帰郷し、市内の病院で働き始めた。手話を覚え始めたきっかけは、その病院に筆談が難しい聴覚障害者が入院したことだった。
幼児期より前に聴覚を失った人は音と文字とが結びつかず、健聴者と同じように読み書きすることができない人も多い。しかし入院すると、通訳がいない時でも診察や日々の体調確認など日常的に会話が必要になる。意思疎通を図ろうと身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとるうち、少しずつ手話を覚えていったという。
「手話で受診できる」という評判が広がり、今では多くの聴覚障害者が受診に訪れるようになった。
「聴覚障害者の中には(説明の意味が)理解できなかったことを医師に伝えられず、分かってもらえないから聞かなくなるという悪循環がある」と宮里医師。「手話だと相手の伝えたいことを引き出しやすい。耳が不自由なことで遮断される情報の壁をとりはらいたい」と話している。
(2009.10.1朝日新聞より)
2009年09月29日 (火) | 編集 |
地裁口頭弁論 傍聴障害者向けに手話 原告側「開かれた裁判の契機に」=奈良
地裁で14日にあった民事訴訟の口頭弁論で、原告側の要望に沿って、聴覚障害を持つ傍聴者のために、手話通訳が行われた。地裁によると、これまで手話通訳が同様に行われたケースは記録にはないといい、原告側代理人は「開かれた裁判のきっかけになる」と評価している。
奈良市の知的障害者の男性(52)が、国などを相手に、障害者自立支援法に基づく福祉サービス利用料の自己負担取り消しなどを求めた訴訟で、被告側も了承し、一谷好文裁判長が許可した。
この日は、裁判官や代理人の間の受け渡しだけで終わる意見書や準備書面について、一谷裁判長が概要を読み上げ、傍聴席最前列端に立つ通訳者が伝えた。原告側代理人は準備書面の要約版を法廷の大画面モニターに映し、丁寧に解説した。
傍聴した聴覚障害者の大西恒三さん(57)(大和郡山市筒井町)は「法律用語など、難しい部分もあったが、これを機に手話通訳や新しい試みを進めてほしい」と話していた。
地裁では、裁判員裁判で聴覚障害者が裁判員に選任された場合を想定し、呼出状など選任手続きの書類を専用の音声機器で読み上げる「音声コード」を導入している。
(2009年09月28日 読売新聞)
地裁で14日にあった民事訴訟の口頭弁論で、原告側の要望に沿って、聴覚障害を持つ傍聴者のために、手話通訳が行われた。地裁によると、これまで手話通訳が同様に行われたケースは記録にはないといい、原告側代理人は「開かれた裁判のきっかけになる」と評価している。
奈良市の知的障害者の男性(52)が、国などを相手に、障害者自立支援法に基づく福祉サービス利用料の自己負担取り消しなどを求めた訴訟で、被告側も了承し、一谷好文裁判長が許可した。
この日は、裁判官や代理人の間の受け渡しだけで終わる意見書や準備書面について、一谷裁判長が概要を読み上げ、傍聴席最前列端に立つ通訳者が伝えた。原告側代理人は準備書面の要約版を法廷の大画面モニターに映し、丁寧に解説した。
傍聴した聴覚障害者の大西恒三さん(57)(大和郡山市筒井町)は「法律用語など、難しい部分もあったが、これを機に手話通訳や新しい試みを進めてほしい」と話していた。
地裁では、裁判員裁判で聴覚障害者が裁判員に選任された場合を想定し、呼出状など選任手続きの書類を専用の音声機器で読み上げる「音声コード」を導入している。
(2009年09月28日 読売新聞)
2009年09月22日 (火) | 編集 |
筆記:普及急がれる、聴覚障害者のコミュニケーション手段
◇OHP投影/隣でノートに 主観入れず要点正しく
高齢や病気、事故などで中途失聴または難聴になった人の多くにとって、手話を学ぶのは非常に難しい。厚生労働省の06年度調査によると、聴覚障害者約34万人のコミュニケーション手段は手話18・9%に対し、話の内容をその場で文字にして伝える筆談・要約筆記は30・2%。関係者は「要約筆記はまだまだ一般に知られていない。取り組む人の数もまったく足りない」と口をそろえる。障害者自立支援法の必須事業になったこともあり、制度の充実が急がれる。
要約筆記が全国に広まったきっかけの一つは、1973年に京都市に全国各地の難聴者が集まった会議での、地元教員のアイデアとされる。学校の授業で使われるオーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使い、討議の内容を逐一筆記してスクリーンに映したところ、理解がスムーズに進んで参加者が感動したという。普通、話し言葉が1分間に300字以上なのに対し、OHPで手書きできるのは60字が精いっぱい。発言を要領よくまとめて書くので「要約筆記」だ。
難聴者の隣で伝えるノートテークと、会場の多くの人に伝える全体投影がある。いずれも、手書きとパソコン利用の2通りある。手書きの全体投影は、OHPにロール状のセロハンフィルムを乗せ、ペンで書いてはロールをずらしていく。
パソコンでは、入力した文字を表示するソフトを使う。京都市の要約筆記サークル「かたつむり」内のパソコン部会の練習会を見学した。80年に結成された最古参サークルの一つ。会員数は約110人で、働く女性や主婦が多い。
練習会では1人が裁判員制度に関する講演録を読み上げ、参加者が2人1組になって打ち込んでいく。相棒が入力した分は自分のパソコン画面で見えるので、掛け合いのように続きを入力し、いくつかの文節ごとにスクリーンに表示させる。15分後に休憩。「要約せずに、つい、たくさん打ってしまうなあ」などと感想が。本番前には、法律用語の予習や、すぐに変換するようパソコンの辞書をあらかじめ“鍛えて”おくことも必要だ。
話し言葉は早口や前置き、脱線、二重否定などを多用するため、要点を正しく書くには頭を全力回転させる。通訳だから、主観が入ってもだめ。大変な役割だ。「かたつむり」の高野美代子会長は「新聞の見出し、リード、本文の構成が参考になる。見出しがきっちりしていれば中身は分かりやすい」と話す。
大幅に要約するため、「言葉でなく意味を追う」のが原則だが、現場からは「話した通りに書かないとニュアンスが伝わらない」との意見も。これに対し、要約筆記の担い手で構成する全国要約筆記問題研究会(全要研、名古屋市)の三宅初穂理事長は「例えば役所や企業の不祥事会見で、『……でございます』をそのまま書いても、その慇懃(いんぎん)無礼さは伝わらない。話し手の意図とその結論を書くべきだ」と話す。
京都市の場合、昨年度は335件の要約筆記の派遣依頼があり、772人を派遣。大半は研修会やスポーツ大会など複数の人が集まる全体投影だった。
同市中途失聴・難聴者協会の前理事長、竹内瞳さん(80)は45歳の時、薬の副作用で重度の難聴になった。「要約筆記は、担当者の経験によって能力に差はあるが、全体のレベルは年ごとに上がっていると感じる」と話す。同会員からは、子どもの進路説明会や同窓会、冠婚葬祭、通院などの場面で役立つとの声があるという。
また、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴、東京)の高岡正理事長(57)は、勤務する食品製造卸会社で06年5月〜今年6月、毎週の会議の際に手書きノートテークの要約筆記の派遣を受けた。「要約筆記は難聴者だけでなく、難聴者がいる『場』全体への支援だ。健聴者を含む全員にメリットがあると知ってほしい」と訴えている。
◇障害者自立支援法で義務化 派遣の市町村4割のみ
06年施行の障害者自立支援法で、要約筆記者の派遣が市町村の必須事業になった。自治体は社会福祉協議会や障害者支援センターなどに業務を委託する例が多く、社協などはボランティアサークルのメンバーなど、登録者の中から要約筆記者を派遣する。
国が99年に定めた52時間の「要約筆記奉仕員の養成カリキュラム」があり、都道府県などの自治体が講習を行っているが、07年度でみると、派遣実績のある市町村は全体の4割にとどまる。自治体の態勢が整っていなかったり、要約筆記者が不足しているためだ。
また、報酬は自治体ごとにまちまち。現場から「レベルが高い人の養成も必要だが、要約筆記の仕事だけでは生活できない。きちんとした対価がないと責任が生まれにくい」との指摘もあり、国はさらに専門性が高い要約筆記を想定したカリキュラム作りを検討している。
(2009.9.20 毎日新聞)
◇OHP投影/隣でノートに 主観入れず要点正しく
高齢や病気、事故などで中途失聴または難聴になった人の多くにとって、手話を学ぶのは非常に難しい。厚生労働省の06年度調査によると、聴覚障害者約34万人のコミュニケーション手段は手話18・9%に対し、話の内容をその場で文字にして伝える筆談・要約筆記は30・2%。関係者は「要約筆記はまだまだ一般に知られていない。取り組む人の数もまったく足りない」と口をそろえる。障害者自立支援法の必須事業になったこともあり、制度の充実が急がれる。
要約筆記が全国に広まったきっかけの一つは、1973年に京都市に全国各地の難聴者が集まった会議での、地元教員のアイデアとされる。学校の授業で使われるオーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使い、討議の内容を逐一筆記してスクリーンに映したところ、理解がスムーズに進んで参加者が感動したという。普通、話し言葉が1分間に300字以上なのに対し、OHPで手書きできるのは60字が精いっぱい。発言を要領よくまとめて書くので「要約筆記」だ。
難聴者の隣で伝えるノートテークと、会場の多くの人に伝える全体投影がある。いずれも、手書きとパソコン利用の2通りある。手書きの全体投影は、OHPにロール状のセロハンフィルムを乗せ、ペンで書いてはロールをずらしていく。
パソコンでは、入力した文字を表示するソフトを使う。京都市の要約筆記サークル「かたつむり」内のパソコン部会の練習会を見学した。80年に結成された最古参サークルの一つ。会員数は約110人で、働く女性や主婦が多い。
練習会では1人が裁判員制度に関する講演録を読み上げ、参加者が2人1組になって打ち込んでいく。相棒が入力した分は自分のパソコン画面で見えるので、掛け合いのように続きを入力し、いくつかの文節ごとにスクリーンに表示させる。15分後に休憩。「要約せずに、つい、たくさん打ってしまうなあ」などと感想が。本番前には、法律用語の予習や、すぐに変換するようパソコンの辞書をあらかじめ“鍛えて”おくことも必要だ。
話し言葉は早口や前置き、脱線、二重否定などを多用するため、要点を正しく書くには頭を全力回転させる。通訳だから、主観が入ってもだめ。大変な役割だ。「かたつむり」の高野美代子会長は「新聞の見出し、リード、本文の構成が参考になる。見出しがきっちりしていれば中身は分かりやすい」と話す。
大幅に要約するため、「言葉でなく意味を追う」のが原則だが、現場からは「話した通りに書かないとニュアンスが伝わらない」との意見も。これに対し、要約筆記の担い手で構成する全国要約筆記問題研究会(全要研、名古屋市)の三宅初穂理事長は「例えば役所や企業の不祥事会見で、『……でございます』をそのまま書いても、その慇懃(いんぎん)無礼さは伝わらない。話し手の意図とその結論を書くべきだ」と話す。
京都市の場合、昨年度は335件の要約筆記の派遣依頼があり、772人を派遣。大半は研修会やスポーツ大会など複数の人が集まる全体投影だった。
同市中途失聴・難聴者協会の前理事長、竹内瞳さん(80)は45歳の時、薬の副作用で重度の難聴になった。「要約筆記は、担当者の経験によって能力に差はあるが、全体のレベルは年ごとに上がっていると感じる」と話す。同会員からは、子どもの進路説明会や同窓会、冠婚葬祭、通院などの場面で役立つとの声があるという。
また、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴、東京)の高岡正理事長(57)は、勤務する食品製造卸会社で06年5月〜今年6月、毎週の会議の際に手書きノートテークの要約筆記の派遣を受けた。「要約筆記は難聴者だけでなく、難聴者がいる『場』全体への支援だ。健聴者を含む全員にメリットがあると知ってほしい」と訴えている。
◇障害者自立支援法で義務化 派遣の市町村4割のみ
06年施行の障害者自立支援法で、要約筆記者の派遣が市町村の必須事業になった。自治体は社会福祉協議会や障害者支援センターなどに業務を委託する例が多く、社協などはボランティアサークルのメンバーなど、登録者の中から要約筆記者を派遣する。
国が99年に定めた52時間の「要約筆記奉仕員の養成カリキュラム」があり、都道府県などの自治体が講習を行っているが、07年度でみると、派遣実績のある市町村は全体の4割にとどまる。自治体の態勢が整っていなかったり、要約筆記者が不足しているためだ。
また、報酬は自治体ごとにまちまち。現場から「レベルが高い人の養成も必要だが、要約筆記の仕事だけでは生活できない。きちんとした対価がないと責任が生まれにくい」との指摘もあり、国はさらに専門性が高い要約筆記を想定したカリキュラム作りを検討している。
(2009.9.20 毎日新聞)
2009年09月19日 (土) | 編集 |
デフリンピック:柔道で金 県警職員、山田選手が会見 /滋賀
文字サイズ変更小中大.この記事を印刷.デフリンピック:柔道で金 県警職員、山田選手が会見 /滋賀
台北で開かれていた聴覚障害者のオリンピック「第21回夏季デフリンピック」(今月5日〜15日)の柔道100キロ以下級で、県警職員、山田光穂(こうすい)選手(28)=彦根市金沢町=が金メダルを獲得し、17日、県警本部で記者会見した。山田選手は4試合すべてで一本勝ちし、「障害のあるなしにかかわらず、一生懸命やれば結果はついてくる」と胸を張った。
デフリンピックでは、同階級のフランス、ロシア、トルコ、モンゴルの4選手と総当たりのリーグ方式で対戦。初戦のフランス人選手との試合では、劣勢だった残り28秒の時点から「送り締め」で逆転勝ち。残り3試合はすべて得意技の「内股(また)」で勝利した。
勝因について、「積極的に攻める自分の戦い方ができたため」と振り返り、「耳が聞こえないのは僕の個性。頑張ればできるということが伝えられたら」と、手話を交えて話した。
山田選手は0歳の時に高熱のため聴覚を失った。両親のすすめで小学校3年生で柔道を始め、近江高校3年生の時にインターハイの個人戦でベスト16に。現在は県警職員として、機関誌の編集や写真撮影の仕事をしながら、週に2〜4日、柔道の練習に励んでいるという。
(2009.9.18 毎日新聞)
文字サイズ変更小中大.この記事を印刷.デフリンピック:柔道で金 県警職員、山田選手が会見 /滋賀
台北で開かれていた聴覚障害者のオリンピック「第21回夏季デフリンピック」(今月5日〜15日)の柔道100キロ以下級で、県警職員、山田光穂(こうすい)選手(28)=彦根市金沢町=が金メダルを獲得し、17日、県警本部で記者会見した。山田選手は4試合すべてで一本勝ちし、「障害のあるなしにかかわらず、一生懸命やれば結果はついてくる」と胸を張った。
デフリンピックでは、同階級のフランス、ロシア、トルコ、モンゴルの4選手と総当たりのリーグ方式で対戦。初戦のフランス人選手との試合では、劣勢だった残り28秒の時点から「送り締め」で逆転勝ち。残り3試合はすべて得意技の「内股(また)」で勝利した。
勝因について、「積極的に攻める自分の戦い方ができたため」と振り返り、「耳が聞こえないのは僕の個性。頑張ればできるということが伝えられたら」と、手話を交えて話した。
山田選手は0歳の時に高熱のため聴覚を失った。両親のすすめで小学校3年生で柔道を始め、近江高校3年生の時にインターハイの個人戦でベスト16に。現在は県警職員として、機関誌の編集や写真撮影の仕事をしながら、週に2〜4日、柔道の練習に励んでいるという。
(2009.9.18 毎日新聞)
2009年09月14日 (月) | 編集 |
福だんごさん、手話落語披露…いたみ寄席
上方落語の桂福団治さん(68)を招いた落語会「いたみ寄席」が12日、兵庫県伊丹市中央の居酒屋「薩摩」で開かれ、聴覚と言語に障害のある宇宙亭福だんごさん(45)らが手話落語を披露した。
手話落語は約30年前、声帯ポリープができたことなどを機に、福団治さんが聴覚障害者に落語を楽しんでもらおうと考案。手話や身ぶり、表情などを駆使して、全身で落語を伝える。
この日は福団治さんが手話落語について解説し、福だんごさんを紹介。福だんごさんは麻生首相ら政治家やイチロー選手の物まねで客の心をつかんだ後、高座に上った。桂福六さん(52)による声の通訳付きで、手話落語「イヤリング」や古典落語の演目「骨釣り」などを披露すると、客席は笑いに包まれた。
寄席を企画した薩摩のオーナー、伊藤昭喜さん(64)は「手話そのものを知る良いきっかけとなった」と話していた。
(2009年09月13日 読売新聞)
上方落語の桂福団治さん(68)を招いた落語会「いたみ寄席」が12日、兵庫県伊丹市中央の居酒屋「薩摩」で開かれ、聴覚と言語に障害のある宇宙亭福だんごさん(45)らが手話落語を披露した。
手話落語は約30年前、声帯ポリープができたことなどを機に、福団治さんが聴覚障害者に落語を楽しんでもらおうと考案。手話や身ぶり、表情などを駆使して、全身で落語を伝える。
この日は福団治さんが手話落語について解説し、福だんごさんを紹介。福だんごさんは麻生首相ら政治家やイチロー選手の物まねで客の心をつかんだ後、高座に上った。桂福六さん(52)による声の通訳付きで、手話落語「イヤリング」や古典落語の演目「骨釣り」などを披露すると、客席は笑いに包まれた。
寄席を企画した薩摩のオーナー、伊藤昭喜さん(64)は「手話そのものを知る良いきっかけとなった」と話していた。
(2009年09月13日 読売新聞)
2009年09月07日 (月) | 編集 |
ろうあ者の被爆体験、手話で語り継ごう 長崎で取り組み
全国手話通訳問題研究会(全通研)長崎支部が、ろうあ者の被爆体験を手話で語り継ぐ試みに取り組んでいる。手だけでなく全身を使って表現する手話は、文字の記録以上に、被爆時の不安や戦後の苦悩をめぐる微妙な心を伝えることができる。ビデオ映像をもとに手話の説明や訳文の書き起こし作業を進めている。
被爆体験を手話で語るのは長崎市の山崎栄子さん(82)。生まれつき耳が聞こえず、戦時中は空襲警報が鳴っても何が起こっているか分からず不安だった。原爆投下直後、姉を捜すために爆心地近くの実家に戻り、入市被爆した。03年の平和祈念式典では被爆者代表を務め、手話で「平和への誓い」を語った。
書き起こし文は、全通研長崎支部長の長野秀樹さん(51)ら会員約20人が作成中。02年に山崎さんが手話で半生を語るのを2日がかりで計120分にわたって撮影した映像を数秒ずつ繰り返し見て、気づいた点を話し合う。下を向いて渋い表情を見せる場面では「語り部を『しぶしぶ』引き受けたと言ってますね」「原爆を詳しく知らない自分には無理だと思ったようです」。表情を読み取り、書きとめていく。
支部によると、長崎県内では約100人のろうあ者が被爆し、約30人が死亡したとされる。生き延びた人も耳が聞こえなかったため、戦後しばらくは、原爆の実態を知らされなかったという。
83年に創設された支部は当初から、ろうあ被爆者の証言を集めてきた。これまでに19人分を映像に記録。86年には証言を「手よ語れ」にまとめた。けれども、手話による豊かな表現をどのように文字に移し替えればいいのかという課題が残っていた。
支部は将来、書き起こし文を手話教材としても活用したいという。語られる体験の鮮烈さ、戦前から戦後までの時代背景、言葉にしにくい感情など、どれを取っても従来の手話教科書にはない奥深い内容が含まれているからだ。
会員で手話通訳士の宮本マキ子さん(57)は「みんなで勉強して手話で語り残していきたい」と話している。
(2009.9.6 朝日新聞)
全国手話通訳問題研究会(全通研)長崎支部が、ろうあ者の被爆体験を手話で語り継ぐ試みに取り組んでいる。手だけでなく全身を使って表現する手話は、文字の記録以上に、被爆時の不安や戦後の苦悩をめぐる微妙な心を伝えることができる。ビデオ映像をもとに手話の説明や訳文の書き起こし作業を進めている。
被爆体験を手話で語るのは長崎市の山崎栄子さん(82)。生まれつき耳が聞こえず、戦時中は空襲警報が鳴っても何が起こっているか分からず不安だった。原爆投下直後、姉を捜すために爆心地近くの実家に戻り、入市被爆した。03年の平和祈念式典では被爆者代表を務め、手話で「平和への誓い」を語った。
書き起こし文は、全通研長崎支部長の長野秀樹さん(51)ら会員約20人が作成中。02年に山崎さんが手話で半生を語るのを2日がかりで計120分にわたって撮影した映像を数秒ずつ繰り返し見て、気づいた点を話し合う。下を向いて渋い表情を見せる場面では「語り部を『しぶしぶ』引き受けたと言ってますね」「原爆を詳しく知らない自分には無理だと思ったようです」。表情を読み取り、書きとめていく。
支部によると、長崎県内では約100人のろうあ者が被爆し、約30人が死亡したとされる。生き延びた人も耳が聞こえなかったため、戦後しばらくは、原爆の実態を知らされなかったという。
83年に創設された支部は当初から、ろうあ被爆者の証言を集めてきた。これまでに19人分を映像に記録。86年には証言を「手よ語れ」にまとめた。けれども、手話による豊かな表現をどのように文字に移し替えればいいのかという課題が残っていた。
支部は将来、書き起こし文を手話教材としても活用したいという。語られる体験の鮮烈さ、戦前から戦後までの時代背景、言葉にしにくい感情など、どれを取っても従来の手話教科書にはない奥深い内容が含まれているからだ。
会員で手話通訳士の宮本マキ子さん(57)は「みんなで勉強して手話で語り残していきたい」と話している。
(2009.9.6 朝日新聞)
2009年09月02日 (水) | 編集 |
乗務員が手話、空の旅支える 聴覚障害者五輪の選手団
台湾で5日開幕する聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の日本選手団。台北に向かう2日の搭乗機の客室乗務員の中には、苦い経験をきっかけに手話を身に付け、特別な思いを胸にフライトに臨んだ加瀬祐子さんがいる。
1998年、乗務した飛行機がマニラ空港で滑走路を逸脱して着陸。緊急脱出用シュートへの避難誘導の際、加瀬さんは聴覚に障害のある乗客4人の案内に手間取ってしまった。4人は無事だったが、このもどかしい体験をきっかけに、社内や地域のサークルに参加、手話をマスターした。
11年前「大丈夫ですよ」「安心してくださいね」と不安げな4人に伝えたくても筆談しか手段がなかった。今は手話で選手に語り掛けることができる。「ゆっくりくつろぎ、大会では自分の力を信じて頑張ってほしい」
4年に1度開催されるデフリンピックは、パラリンピックより歴史が古く今回が21回目。
(2009.9.1 日本経済新聞)
台湾で5日開幕する聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の日本選手団。台北に向かう2日の搭乗機の客室乗務員の中には、苦い経験をきっかけに手話を身に付け、特別な思いを胸にフライトに臨んだ加瀬祐子さんがいる。
1998年、乗務した飛行機がマニラ空港で滑走路を逸脱して着陸。緊急脱出用シュートへの避難誘導の際、加瀬さんは聴覚に障害のある乗客4人の案内に手間取ってしまった。4人は無事だったが、このもどかしい体験をきっかけに、社内や地域のサークルに参加、手話をマスターした。
11年前「大丈夫ですよ」「安心してくださいね」と不安げな4人に伝えたくても筆談しか手段がなかった。今は手話で選手に語り掛けることができる。「ゆっくりくつろぎ、大会では自分の力を信じて頑張ってほしい」
4年に1度開催されるデフリンピックは、パラリンピックより歴史が古く今回が21回目。
(2009.9.1 日本経済新聞)
2009年08月26日 (水) | 編集 |
手話で子どもたちと交流 オランダ訪問の秋篠宮夫妻
オランダを公式訪問中の秋篠宮ご夫妻は25日夕(日本時間26日未明)、ハーグ近郊の聴覚障害がある子どもの施設「エファタ」を訪れ、子どもたちと交流された。
紀子さまは施設訪問に先立つ22日、エファタで手話教育を担当するウィム・デベッツさんからオランダ語の手話について説明を受けた。
ご夫妻は放課後の特別講座を受けていた3人の子どもに会い、「ようこそ」という手話を絵に描いた紙工作を受け取った。紀子さまは子どもたちにオランダ語の手話で名前や年齢を尋ね、秋篠宮さまも「ありがとう」を意味する手話で応じた。
デベッツさんは「手話で語り掛けてもらい、子どもたちも喜んでいた。お会いできて良かった」と話した。
(2009/08/26 共同通信)
オランダを公式訪問中の秋篠宮ご夫妻は25日夕(日本時間26日未明)、ハーグ近郊の聴覚障害がある子どもの施設「エファタ」を訪れ、子どもたちと交流された。
紀子さまは施設訪問に先立つ22日、エファタで手話教育を担当するウィム・デベッツさんからオランダ語の手話について説明を受けた。
ご夫妻は放課後の特別講座を受けていた3人の子どもに会い、「ようこそ」という手話を絵に描いた紙工作を受け取った。紀子さまは子どもたちにオランダ語の手話で名前や年齢を尋ね、秋篠宮さまも「ありがとう」を意味する手話で応じた。
デベッツさんは「手話で語り掛けてもらい、子どもたちも喜んでいた。お会いできて良かった」と話した。
(2009/08/26 共同通信)
2009年08月26日 (水) | 編集 |
手話で紡ぐ夢 29日、全国高校生コンに出場
東京・有楽町朝日ホールで29日に開かれる「第26回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」(全日本ろうあ連盟・朝日新聞社・朝日新聞厚生文化事業団主催、NEC協賛)に県内から岡山学芸館高校3年、山本明珠花(あすか)さん(18)と、水島工業高校2年、太田隼平(じゅんぺい)さん(17)が出場する。全国から71人の応募があり、原稿とビデオによる審査で本選出場の10人の中に選ばれた。2人はそれぞれ「かなえたい夢」をテーマに、手話を始めたきっかけや将来の目標について発表する。(八尋紀子)
■国際交流に生かしたい/学芸館 山本さん
ろうあ者の両親が手話で会話する姿を見て育ち、4歳ごろには「手話を教えて」と両親にねだっていた。しかし、小学生になると、手話をじろじろ見られたり、「手話を教えて」と頼まれたりするのが嫌でしようがなくなった。同級生と違うことはしたくない、目立ちたくない……。いつしか手話を習うことをやめ、使うこともなくなった。
そんな気持ちが変わったのは、高校1年の冬から1年間留学したカナダで、山本さんの両親がろうあ者だと知った現地の小学生に手話を教えてほしいと頼まれたことだった。教えられるほどの知識はなく、その恥ずかしさから帰国後、母美千代さん(47)から再び手話を学ぶようになった。
それから半年余りで果たしたスピーチコンテストへの出場。これまで何度も出場した英語のスピーチコンテストにはあまり関心を示さなかった両親も、今回は「いつから練習するの?」「先生は誰にお願いする?」と楽しみにしている。
5歳のころから英会話を習い、中学の時に米国でホームステイし、高校では英語科に在籍する。国際的な英語力検定「TOEIC」は905点の高得点をマーク。夢は世界中を飛び回り、環境問題のドキュメンタリー作品を作ることだ。
英語と手話の共通点は「人との出会いが広がることと、使えば使うほど身につくこと」と言う。コンテストでは「ろうあ者の国際交流」のタイトルで話す。「こわいから」と海外旅行をしたことがない両親に、いつか世界を見せてあげたい。
■障害者の不安除ければ/水島工 太田さん
小学校に入るか入らないかのころ、テレビの手話ニュースを見て、「これは何をしてるの?」と母に尋ねたという。
「耳が聞こえない人が手を使ってお話ししているの」
母の説明に興味を抱き、小学4年で地域の手話サークルに入った。周りは大人ばかり。小学校の図書館で借りた手話の本などで、少しずつ勉強してきた。
高校に入学した昨年からは、「もっと色々な人の手話に触れた方がいい」というサークル仲間の助言もあって、別の手話サークルにも参加。月に8日、雑談をしながら新しい表現や単語を身につけている。
スピーチのタイトルは「バリアフリーと思いやり」。通学途中、電車の遅れを伝える構内放送を聞くたびに「聴覚障害者は何が起きているかわからず不安だろうな」と思う。手話サークルでも、健聴者同士の会話に入れない聴覚障害者に話しかけられず、もどかしい思いをすることがある。そんな経験を訴える。
「聴覚障害者は非常ベルも聞こえない。そんな不安や寂しさを取り除くことは大切なバリアフリー。勇気を出して手話で話しかけたい」
高校では電気科に在籍する。撮影機材など機械が好きで、中学から引き続いて放送文化部に所属し、コンピューター関係に進むのが夢だ。
手話に夢中になった理由の一つは「手や顔の表情の豊かさ」。話し言葉との文法や言い回しの違いにもおもしろさを感じる。「僕の手話も岡山弁だと言われます。スピーチコンテストのある東京で通じるか心配です」と笑う。
(2009.8.25 朝日新聞)
東京・有楽町朝日ホールで29日に開かれる「第26回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」(全日本ろうあ連盟・朝日新聞社・朝日新聞厚生文化事業団主催、NEC協賛)に県内から岡山学芸館高校3年、山本明珠花(あすか)さん(18)と、水島工業高校2年、太田隼平(じゅんぺい)さん(17)が出場する。全国から71人の応募があり、原稿とビデオによる審査で本選出場の10人の中に選ばれた。2人はそれぞれ「かなえたい夢」をテーマに、手話を始めたきっかけや将来の目標について発表する。(八尋紀子)
■国際交流に生かしたい/学芸館 山本さん
ろうあ者の両親が手話で会話する姿を見て育ち、4歳ごろには「手話を教えて」と両親にねだっていた。しかし、小学生になると、手話をじろじろ見られたり、「手話を教えて」と頼まれたりするのが嫌でしようがなくなった。同級生と違うことはしたくない、目立ちたくない……。いつしか手話を習うことをやめ、使うこともなくなった。
そんな気持ちが変わったのは、高校1年の冬から1年間留学したカナダで、山本さんの両親がろうあ者だと知った現地の小学生に手話を教えてほしいと頼まれたことだった。教えられるほどの知識はなく、その恥ずかしさから帰国後、母美千代さん(47)から再び手話を学ぶようになった。
それから半年余りで果たしたスピーチコンテストへの出場。これまで何度も出場した英語のスピーチコンテストにはあまり関心を示さなかった両親も、今回は「いつから練習するの?」「先生は誰にお願いする?」と楽しみにしている。
5歳のころから英会話を習い、中学の時に米国でホームステイし、高校では英語科に在籍する。国際的な英語力検定「TOEIC」は905点の高得点をマーク。夢は世界中を飛び回り、環境問題のドキュメンタリー作品を作ることだ。
英語と手話の共通点は「人との出会いが広がることと、使えば使うほど身につくこと」と言う。コンテストでは「ろうあ者の国際交流」のタイトルで話す。「こわいから」と海外旅行をしたことがない両親に、いつか世界を見せてあげたい。
■障害者の不安除ければ/水島工 太田さん
小学校に入るか入らないかのころ、テレビの手話ニュースを見て、「これは何をしてるの?」と母に尋ねたという。
「耳が聞こえない人が手を使ってお話ししているの」
母の説明に興味を抱き、小学4年で地域の手話サークルに入った。周りは大人ばかり。小学校の図書館で借りた手話の本などで、少しずつ勉強してきた。
高校に入学した昨年からは、「もっと色々な人の手話に触れた方がいい」というサークル仲間の助言もあって、別の手話サークルにも参加。月に8日、雑談をしながら新しい表現や単語を身につけている。
スピーチのタイトルは「バリアフリーと思いやり」。通学途中、電車の遅れを伝える構内放送を聞くたびに「聴覚障害者は何が起きているかわからず不安だろうな」と思う。手話サークルでも、健聴者同士の会話に入れない聴覚障害者に話しかけられず、もどかしい思いをすることがある。そんな経験を訴える。
「聴覚障害者は非常ベルも聞こえない。そんな不安や寂しさを取り除くことは大切なバリアフリー。勇気を出して手話で話しかけたい」
高校では電気科に在籍する。撮影機材など機械が好きで、中学から引き続いて放送文化部に所属し、コンピューター関係に進むのが夢だ。
手話に夢中になった理由の一つは「手や顔の表情の豊かさ」。話し言葉との文法や言い回しの違いにもおもしろさを感じる。「僕の手話も岡山弁だと言われます。スピーチコンテストのある東京で通じるか心配です」と笑う。
(2009.8.25 朝日新聞)
